お客様から、「Gmailに設定した独自ドメインのメールアドレスで、メールの受信が数十分単位で遅れる」というご相談をいただきました。
送信後、できる限りリアルタイムでメールを受信できるよう、調査と設定を行いました。
本記事では、メール遅延の原因となった「Gmailの仕様」と、実際に効果があった2つの具体的な対処法をご紹介します。
メールの運用方法(構成の確認)
まずはじめに、お客様がどの様な構成でメールを利用されているのか確認しました。
お客様は、外部メールサーバーで独自ドメインのメールアドレスを登録し、それをGmailに追加して利用されていました。
Gmailはあくまでメーラーとして利用し、実際のメールサーバーは外部で運用されている構成です。

確認内容
メールボックスの空き容量
メールボックスの容量が上限近くになるとメールを受信できなくなります。
総量の30%程度しか利用していなかったので、こちらは問題なさそうでした。
DNS MXレコード
MXレコードには受信サーバーの情報が設定されており、独自ドメインのサーバー情報が正しく設定されていました。
こちらも問題なしと判断しました。
% dig mx example.co.jp
・・(省略)・・
;; ANSWER SECTION:
example.co.jp. 300 IN MX 0 受信サーバー.
メッセージヘッダーの分析
当該メールアドレスで受信したメールのメッセージヘッダーでメールの経路情報を確認しました。
すると次のことがわかりました。
- 送信元から外部メールサーバー(独自ドメイン側)への到達は数十秒と即時的。
- 外部メールサーバーからGmailへの到達に、数十分のタイムラグが発生している。
原因:Gmailの「メール取得」仕様
この結果から、遅延の原因は「外部メールサーバーとGmailの同期間隔」にあると考えました。
Gmailの「他のアカウントのメールを確認」機能は、リアルタイムではなく、数十分〜1時間程度の間隔で同期が行われるようでした。

これにより、メールサーバーに届いたメールがGmailに表示されるまでにタイムラグが生じていました。
対処:リアルタイム受信を実現する2つの方法
対処方法として2案ご案内しました。
【案1:手動でメールを取得する】
受信ボックスのページを再読み込みするほか、Gmailの「設定」画面から手動でメールサーバーとの同期を指示できます。

都度この操作を行うことで、強制的にメールを取得し、リアルタイムに近い受信を実現できます。
【案2:Gmail以外のメールソフトを利用する】
遅延の原因がGmailの同期間隔にあるため、これを利用せず、メールサーバーのメールをメールソフトで直接利用する方法をご提案しました。
お客様は本案を選択され、Outlookにアカウントを設定させていただきました。
結果として、遅延のないリアルタイムでのメール受信が実現しました。
まとめ
Gmailに設定した外部アカウントでメールの受信が遅延する原因と対処方法をご紹介しました。
弊社では、メールの設定を始めとしたITサポート業務を行っています。
ITについてお悩みなどありましたらお気軽にご相談ください。