今回はExchange Onlineで独自のグローバルアドレスリストを作成する方法をご紹介します。
目次
グローバルアドレスリストとは
グローバルアドレスリストとは、Exchange Onlineのメールボックスをひとまとめにしたアドレス帳のようなものです。
Exchange Onlineでは、メールボックスの種類やプロパティなどを条件に、特定のメールボックスのみをまとめた独自のグローバルアドレスリストを作ることができます。
独自のグローバルアドレスリストの作り方
独自のグローバルアドレスリストはExchange管理センターから作ることができません。
PowerShellでExchange Onlineに接続し、アドレスリスト操作のコマンドを使って作る必要があります。
また、デフォルトではアドレスリスト操作のコマンドを使う権限もありません。
そのため、事前にMicrosoft365アカウントに対してその権限を追加しておく必要があります。
Microsoft365アカウントにアドレスリスト操作の権限を追加する
Exchange管理センターへログインした後、画面左側のメニューより「役割 → 管理者の役割」を選択します。
その後、「Organization Management」を選択し、「アクセス許可」タブより「Address Lists」をチェックONとします。
PowerShellをインストールする
PowerShellがインストールされていない場合、それをインストールします。
次の記事にてPowerShellのインストールからExchange Onlineへの接続までをご紹介しています。
独自のグローバルアドレスリストを作る
Exchange Onlineへ接続する
PowerShellを起動し、Exchange Onlineへ接続します。
Connect-ExchangeOnline -UserPrincipalName <Microsoft365のユーザー名>
パスワード認証画面がブラウザで開くため、画面の指示に従いユーザー認証を行います。
メールボックスに独自グローバルアドレスリストの条件を設定する
今回は、カスタム属性1に特定の値が設定されているメールボックスを独自グローバルアドレスリストにまとめる体として、メールそれに「GAL-Conditions」を設定します。
Set-Mailbox -Identity <メールアドレス> -CustomAttribute1 "GAL-Conditions"
配布リストに独自グローバルアドレスリストの条件を設定する
メールボックスと同じ様に、配布リストメールボックスのカスタム属性1に独自のグローバルアドレスリストの条件となる値を設定します。
Set-DistributionGroup -Identity <メールアドレス> -CustomAttribute1 "GAL-Conditions"
配布リストメールボックスを独自のグローバルアドレスリストに含めない場合は不要です。
独自グローバルアドレスリストを作成する
カスタム属性1を条件にして独自グローバルアドレスリストを作成します。
New-GlobalAddressList -Name "GAL-Name" -RecipientFilter "CustomAttribute1 -eq 'GAL-Conditions'"
条件は完全一致となります。
独自オフラインアドレスリストを作成する
独自グローバルアドレスリストからオフラインアドレスリストを作成します。
New-OfflineAddressBook -Name "OAL-Name" -AddressLists "GAL-Name"
アドレスリストポリシーを作成する
独自グローバルアドレスリストを含めたアドレスリストポリシーを作成します。
New-AddressBookPolicy -Name "ABP-Name" -AddressLists "All Rooms","All Distribution Lists" -GlobalAddressList "GAL-Name" -OfflineAddressBook "OAL-Name" -RoomList "All Rooms"
アドレスリストポリシーを適用する
アドレスリストポリシーを独自グローバルアドレスリストを使うメールボックスに適用します。
Set-Mailbox -Identity <メールアドレス> -AddressBookPolicy "ABP-Name"
メールボックスを更新する
Exchange Onlineにおいては新しく作成したアドレスリストが反映させるため、改めてメールボックスを更新する必要があるようです。
Get-Recipient -ResultSize unlimited | foreach {Update-Recipient -Identity $_.Guid}
作成した独自グローバルアドレスリストを確認する
Outlookにてカスタム属性1を条件にして作成した独自のグローバルアドレスリストが表示されることを確認します。
まとめ
今回はExchange Onlineで独自のグローバルアドレスリストを作成する方法をご紹介しました。
弊社ではMicrosoft365の導入や保守を承っております。
ぜひお気軽にご相談ください。